恐ろしい降霊術ランキング — 闇にひそむ禁断の儀式とその危険性

第1章: 闇夜に招かれる霊 — 降霊術とは何か

真夜中、静まり返った部屋で揺れるろうそくの灯。円陣を組んだ人々が手を取り合い、誰もいないはずの空間に向かって問いかけます。「あなたはそこにいますか?」――そして次の瞬間、“何か”が応えるかのように物音が響く…。こうした場面はホラー映画や怪談でお馴染みですが、この 霊を呼び出す行為 こそがまさに「降霊術」です。降霊術(こうれいじゅつ)とは、死者の霊やこの世ならざる存在を呼び出し、対話したり何らかの現象を起こしたりする術 のことを指します。「交霊術」や「霊媒術」とも呼ばれ、英語ではネクロマンシー(necromancy)やスピリチュアリズム(spiritualism)とも言われます。

一般的に降霊術というと、暗い部屋で霊媒(れいばい)や霊感の強い者が集まり、霊に降りてきてもらう儀式を思い浮かべるでしょう。実際、その方法は様々ですが、いずれも人為的に霊的存在との接触を図る禁断の試みである点は共通しています。例えばテーブルを囲んで参加者全員が手をつなぎ、唱和しながら霊を招く「交霊会(降霊会)」は典型的なスタイルです。また、日本でよく知られる「こっくりさん」のように、紙と硬貨を使って霊からのメッセージを得ようとする遊びも降霊術の一種です。

しかし忘れてはならないのは、降霊術は決して遊び半分で手を出してよいものではないということです。呼び出そうとした霊が現れるかどうかも問題ですが、もっと恐ろしいのは望まぬ“何か”まで呼び寄せてしまう可能性です。降霊術には常に危険と緊張が付きまといます。たとえ半信半疑でも、一度儀式が始まれば空気は張りつめ、背筋を撫でるような寒気や何かの視線を感じてしまうかもしれません。現れる存在が善良な霊とは限らず、時に悪意ある霊や未知の怪異が紛れ込むこともあるといわれています。そのため、古来より降霊術は「禁断の術」として忌み嫌われ、同時に人々の恐怖と好奇心を強く刺激してきました。

本記事では、この恐ろしい降霊術について徹底的に解説していきます。降霊術の定義から歴史、具体的な儀式の方法や実際に報告されている事例、そこから生じたトラブルや危険性まで網羅し、その闇の深淵を探ります。さらに、フィクションとノンフィクションの境界にも触れ、伝説と現実が交錯する降霊術の真相に迫ります。読者の皆さんもページをめくる手が少し汗ばむかもしれません…。その緊張感を味わいながら、決して軽い気持ちでは踏み込めない降霊術の世界へ、どうぞお入りください。

第2章: 古代からの禁術 — 降霊術の歴史

人類が霊や死者の魂と交信しようと試みた歴史は、太古の昔まで遡ることができます。古代文明の記録にも、亡き人の声を聞こうとする儀式や魔術の存在が示唆されています。例えば古代メソポタミアやエジプトでは、**死者の魂を呼び出しメッセージを得る「ネクロマンシー(死霊術)」が行われたと伝えられます。聖書の『サムエル記』に登場するエンドールの魔女の逸話では、王が霊媒に頼んで死んだ預言者の霊を呼び出す描写があり、これは古代における降霊術の一例と言えるでしょう。また日本でも、縄文・弥生の時代からシャーマン(巫女)**が神や祖霊を憑依させる文化が存在し、青森のイタコのように盲目の巫女が死者の霊を口寄せする伝統は現代まで続いています。

中世ヨーロッパにおいて、死者や悪霊と交信する行為は「悪魔の所業」として異端視され、厳しく禁じられました。魔女狩りの時代、霊と語らう行為は悪魔崇拝とみなされ命の危険すら伴ったのです。しかし人々の関心が消えることはなく、密かに霊を呼ぶ呪術が試みられていた記録もあります。“禁術”として闇に潜みながら、その火は細く長く燃え続けていたと言えるでしょう。

19世紀に入ると、降霊術は再び公の場に姿を現します。1848年、アメリカ・ニューヨーク州ハイズヴィルで起きた「フォックス姉妹事件」はその幕開けでした。フォックス家の少女たちが「霊との交信に成功した」と主張し、家中で起こる不可解なラップ音(物音)を霊のメッセージだと語ったのです。この話が新聞で報じられると大きな反響を呼び、各地で霊媒師(メディアム)による交霊会が流行しました。これが近代スピリチュアリズム(心霊主義)の勃興です。産業革命期からヴィクトリア朝時代にかけて、交霊会は貴族も市民も集う一種のサロン的娯楽として盛んに行われました。暗い部屋に人々が集い、テーブルを囲んで手をつなぎ、霊媒がトランス状態で死者の声を伝える――そんな光景が各地で繰り返されたのです。当時は南北戦争や世界大戦など大規模な戦争が相次いだ時代でもあり、多くの人々が亡き家族や友人と交信して癒やしを求めたことが、こうした降霊ブームを支える要因となりました。

この頃、霊との対話を補助する様々な道具も考案されました。**代表的なのが「ウィジャボード」**です。ウィジャボードはアルファベットや数字を書いた板と小さな指示器(プランシェット)で構成された道具で、複数人が指先を載せて霊に質問するとプランシェットが勝手に動いて文字を示す仕組みになっています。1890年にアメリカで玩具として発売され大ヒットし、家族や友人同士で手軽に降霊術を楽しむことができるものとして広まりました。

一方、日本にもこの波は押し寄せます。明治時代後期(19世紀末)、欧米でのスピリチュアリズム流行と同時期に、日本で独自にアレンジされた降霊術が誕生しました。それが 「こっくりさん」 です。こっくりさんは元々西洋のテーブル・ターニング(テーブル回し占い)が起源で、明治17年(1884年)頃にアメリカ人船員から日本人に伝えられたとされます【注※】。当時の日本ではこっくりさんが空前のブームとなり、老若男女が硬貨と紙を使って狐の霊を呼び出す遊びに熱中しました。報道によれば、こっくりさんにのめり込みすぎて正気を失ったり詐欺まがいの事件に巻き込まれたりといった騒動も起きたようです。当時の知識人である井上円了は、この現象を科学的に解明しようと調査を行い、「参加者の無意識の動きによるものだ」という結論を発表しています。しかしそれでも怪奇現象を信じる人々の興味は衰えず、こっくりさんは昭和に入ってからも学生の間で何度も流行を繰り返しました。

20世紀に入り科学技術が発展すると、心霊現象の研究も活発になります。1882年には英国で心霊現象研究協会(SPR)が設立され、数多くの霊媒や降霊術が実験・検証されました。ここで多くの詐欺的な降霊術のトリックも暴かれています。例えば霊媒がエクトプラズム(霊が実体化した物質)を吐き出すと称してチーズクロスを口から出していた例や、降霊会でテーブルが揺れるのはこっそり足で蹴っていた、といった古典的な手口です。有名な奇術師ハリー・フーディーニも熱心な心霊現象の懐疑論者で、自ら降霊会に参加してはトリックを見破り、霊媒の詐欺を告発して回ったことが知られています。

それでもなお説明のつかない不思議な現象も多数報告されていました。歴史には降霊術にまつわる奇妙な逸話が幾つも残されています。例えばタイタニック号沈没(1912年)の約2週間前、イギリスの交霊会で「巨大な船が氷山と衝突する」という霊からの警告メッセージが伝えられていたという話があります。また第二次大戦直前の1938年、ニューヨークの降霊術で「真珠湾攻撃」を予見するかのような声が上がっていたという記録もあるのです。これらは事故後になってから注目された話で、偶然の産物かもしれません。しかし1920年代のロンドン心霊研究協会では、複数の科学者立ち会いのもと行われた降霊術で当時未知だった古代遺跡の正確な所在地が霊言によって示され、その後本当に発見されたという事実も報告されています。こうした事例は、単なる迷信では片付けられない降霊術の深遠さを示唆しています。

現代ではインターネットの普及により、降霊術の方法が誰にでも容易に手に入るようになりました。2000年代後半以降、日本でもネット掲示板やSNS上で**「やってはいけない怖い遊び」**として様々な降霊術の手順が拡散されました。その結果、興味本位で試す若者が増え、中には思わぬ事故や心的トラブルに見舞われるケースも出ています。**いまや降霊術は私たち現代人にとって身近な「都市伝説的儀式」**となりつつありますが、その危険性は昔と何ら変わりません。むしろ科学的懐疑とオカルトブームが交錯する今だからこそ、一層慎重な向き合い方が求められているのです。

第3章: 鏡・盤・人形 — 降霊術の様々な方法と実例

降霊術には実に多彩な方法があります。ここではその代表的な手法と具体的なやり方、さらに各術にまつわる実例エピソードを紹介しましょう。方法ごとに異なる恐怖のアプローチがありますが、いずれも薄暗い場所で行うという共通点があり、想像するだけで背筋が寒くなるようなものばかりです。

● セッション(交霊会)

古典的な降霊術の一つが、霊媒を囲んで行う交霊会(セッション)です。参加者は円卓などに集まり、ろうそくやランプの灯りの下で手を取り合います。一同が静かに目を閉じる中、霊媒が霊に語りかけ、トランス状態に入った霊媒に霊魂を憑依させるのです。やがて霊媒の口を通して死者の声が聞こえ始めたり、部屋の中でラップ音(壁や机を叩く音)が鳴り響いたりします。時には空中から人魂のような発光体が現れるなど、劇的な現象が報告されることもあります。19世紀後半の欧米では、こうした霊媒による降霊セッションが流行しました。

実例: 有名な交霊会の例に、19世紀イギリスの霊媒ユサペリア・パラディーノのセッションがあります。彼女は交霊中にテーブルを宙に浮かせたり楽器を空中で演奏させたりしたとされ、多くの聴衆を驚かせました。また、日本でも大正時代に心霊研究家の浅野和三郎らが交霊実験を行い、霊媒を通じて得られた情報を検証する試みをしています。これらの交霊会は厳かな雰囲気の中で進められ、参加者たちは霊の存在を肌で感じるような恐怖と神秘を味わったといいます。

● ウィジャボードとこっくりさん

盤を用いる降霊術として、ウィジャボードとその日本版ともいえるこっくりさんがあります。ウィジャボードは前述の通り、アルファベットや数字の書かれた板に小さな指示板を載せ、複数人でその指示板に指を置いて質問をします。「あなたは誰ですか?」「ここに何かいますか?」など問いかけると、不思議なことに指示板がスルスルと動き出し、文字を次々と指し示して答えを綴るのです。例えば「YES」や「NO」といった簡単な応答から、時に長い単語や名前まではっきり示されることもあります。誰も板を動かしていないはずなのに文字が浮かび上がる様は、この上なく不気味で、初めて体験した人は悲鳴を上げるほど驚くでしょう。

日本のこっくりさんも基本は同じです。紙に「はい」「いいえ」「男女」「0〜9の数字」「五十音表」「鳥居」などを書き込み、その上に硬貨(十円玉など)を置きます。参加者全員が硬貨に人差し指をそっと触れ、「こっくりさん、こっくりさん、おいでください…」というおまじないを唱えると、硬貨がひとりでに滑り動き出します。そして指先が引っ張られるように文字や数字を次々と指し示し、まるで霊が乗り移ったかのように質問への答えを綴っていくのです。「明日の試験はうまくいきますか?」「○○さんは私のことをどう思っていますか?」――子供だましのような質問でも、こっくりさんは容赦なく答えを示します。その答えがたとえ突拍子もない内容でも、参加者たちは**「本当に何かが降りてきている」**という恐怖に包まれるのです。

実例: こっくりさんには古くから恐怖の体験談が付きまといます。昭和のある時代、女子高生数人が放課後にこっくりさんを試したところ、「明日、この中の一人が事故に遭う」と硬貨が示しました。不安になりつつも儀式を終え帰宅しましたが、翌日、メンバーの一人が本当に交通事故に遭ってしまったというのです(幸い命に別状はなかったとのこと)。また別の学校では、こっくりさんで呼び出した霊がなかなか帰らず、硬貨が異常な速さで動き続けて誰も止められなくなるという怪事が起きています。参加者たちは泣き叫びながら硬貨から手を離しましたが、その後も廊下で足音がしたり黒い影が見えたりする怪奇現象が何日も続いたと伝えられています。

ウィジャボード/こっくりさんは手軽にできる一方で**「終わらせ方」を誤ると危険**とされます。霊に「もうお帰りください」ときちんと伝え、ありがとうと言って硬貨(プランシェット)から指を離す――この終結作法を怠ると、呼び出した霊がその場に居残ってしまうと言われます。実際に「こっくりさんの最中に怖くなって逃げ出したら、その後しばらく奇妙な現象が続いた」なんて話もよく耳にします。

● 自動書記(オートマティスム)

ペンと紙さえあればできる降霊術として自動書記(オートマティスム)があります。これは、意識を集中してペンを握り、心の中で霊に語りかけながら紙の上に任意にペンを走らせる方法です。しばらく無心でいると、まるで見えない誰かが腕を操るかのように文字や記号が現れてくることがあります。意味のない線やグニャグニャとした字の場合も多いのですが、訓練された霊媒では明確なメッセージを書き取れると主張する人もいます。

実例: 有名な心霊研究家のエマ・ハーディングは、自動書記により「霊界からの通信文」を大量に書き留めたと言われます。また日本でも、戦後の新興宗教の中には教祖が降霊状態で自動筆記し、それを神からの啓示として信者に示した例があります。さらに個人の体験談として、「亡くなった親友に手紙を書くつもりで無心でペンを動かしていたら、『元気ですか』という彼の筆跡に似た文字が現れた」という不思議なエピソードも語られています。本人の無意識の作用か、それとも本当に霊が筆を取ったのか――真相は定かではありませんが、ペン先に浮かぶ文字を見た瞬間のぞっとする感覚は、何とも言えない恐怖でしょう。

● 鏡を使った儀式

鏡は古来より「あの世とこの世を繋ぐ窓」として多くの怪談に登場します。その鏡を用いた降霊術として有名なのが**「ブラッディ・メアリー」**です。海外の都市伝説ですが、日本でも心霊マニアにはよく知られています。この儀式では真夜中に明かりを消した浴室で鏡の前に立ち、手に持ったろうそくを灯しながら「ブラッディ・メアリー(血まみれのメアリー)、ブラッディ・メアリー、ブラッディ・メアリー…」と何度も唱えます。すると鏡の中に血まみれの女性の霊が現れる、とされています。その女性はメアリーという名で呼ばれますが、正体については諸説あり、魔女の怨霊だとか事故死した女性の幽霊だとか言われます。鏡の中から現れた女は決して目を合わせてはいけないとも言われ、彼女を見ると呪われたり鏡越しに連れ去られたりするという恐ろしい噂もあります。

実例: ブラッディ・メアリーを試した若者たちの話は海外で後を絶ちません。「鏡に本当に女性の顔が浮かび上がり、慌てて明かりを点けたら自分の頬にひっかき傷ができていた」「儀式の後から夜な夜な女のすすり泣きが聞こえる」といった体験談が語られています。あるケースでは、友人同士で行った女子学生がパニックのあまり走って浴室から逃げ出し、転倒してケガをしたという事故も報告されています。鏡の中という日常空間のすぐ裏側に異界が存在するという発想自体が非常に怖ろしく、たとえ何も起こらなくても深夜に鏡を見るのがしばらくトラウマになるかもしれません。

● 人形や物を媒介とする儀式

物質に霊を宿らせるタイプの降霊術も存在します。有名なのは日本発の**「ひとりかくれんぼ」**でしょう。これについては後の章で詳しく述べますが、ぬいぐるみ人形に霊を招き入れ、家の中で鬼ごっこ(かくれんぼ)をする禁断の儀式です。人の代わりに人形が鬼となり、参加者(術者)は家に隠れてその人形から逃げ切らなければなりません。深夜の家で一人、何か得体の知れない存在がうろついているかもしれないという極限の恐怖を味わうことになります。

また、コイン占い系の降霊術もいくつかあります。こっくりさんと並んで語られる「エンジェルさま」という儀式では、紙に天使を模した図を書いて行う点以外はこっくりさんとほぼ同じ手順です。さらに懐かしい遊びでは「百物語」があります。これは怪談を百話語り終えるごとに部屋のろうそくを一本ずつ消していき、最後の話が終わり全ての灯りが消えた瞬間に霊が現れるという江戸時代から伝わる遊びです。百物語も広い意味で降霊術の一つとされ、江戸の武士や明治の学生たちが度胸試しに行った記録があります。最後の一灯を吹き消した闇の中、何かが現れるかもしれないという緊張感は、現代のホラー好きにも訴えるものがあり、一時期リバイバルで若者たちに楽しまれたこともありました。

このように、降霊術の方法は占いや遊びに近い手軽なものから、本格的な呪術儀式まで様々です。しかしどの方法にも少なからず不気味な実例や怪談が付きまといます。単なる偶然なのか、本当に霊が応じたのか判断に迷う話もありますが、一度そうした話を聞いてしまうと、「もし自分が同じことをしたら…」と想像してしまい、たとえ好奇心があっても二の足を踏んでしまうでしょう。次章では、実際に降霊術を行った結果起きてしまった恐ろしいトラブルや事件の数々に迫ります。禁断の扉を開けてしまった人々が味わった悪夢とはどんなものだったのでしょうか。

第4章: 呼び寄せた悪夢 — 降霊術が招いた惨劇の実例

降霊術の世界には、興味本位で手を出したがために悲惨な結末を迎えたという数多くの逸話が存在します。その中には信じ難いような怪奇現象から、身の毛もよだつ事件に発展したケースまで、内容はさまざまです。ここでは実際に報告されている降霊術絡みのトラブル惨劇の実例をいくつか紹介します。読むだけでも不吉な気配を感じるかもしれませんが、これが現実に起きた(あるいは起きたとされる)出来事なのです。

● 高校生グループに降りかかった連続不幸
東京都内のある高校での出来事です。数年前、仲良しの男女4人組が放課後に教室でふざけ半分にこっくりさんを試しました。特に霊感のない普通の生徒たちでしたが、硬貨は滑らかに動き、「私は狐です」「遊んでいい?」など奇妙なメッセージを示したといいます。怖くなった4人は途中でやめようとしましたが、本来行うべき終了の手順を省いて散り散りに帰宅してしまいました。それからです。メンバーの身に次々と異変が起こりました。Aさんの家族全員が原因不明の高熱を出して入院、Bさんはバイク事故に遭い重傷(後に死亡)、Cさんは怯えて塞ぎ込み不登校に、Dさんは夜な夜な黒い影を見るようになり精神が不安定になって退学…と、まるでグループ全員に何かの祟りが降りかかったかのような結果となってしまったのです。学校ではこの噂が瞬く間に広がり、教師たちは生徒にこっくりさんを絶対にしないよう厳重に注意しました。偶然にしてはあまりに出来過ぎた連鎖的不幸に、周囲も恐れ戦き「狐の祟りだ」「低級霊に憑かれたのでは」と噂しました。このケースは後味の悪い結末を迎えています。Dさんはその後も回復せず、自殺未遂を繰り返してしまったと伝えられています。真相は分かりませんが、一度降霊で招いたものを正しく送り返さなかった代償であるかのような、あまりにも痛ましい出来事です。

● 自殺を唆された少年
海外でも降霊術がらみの悲劇は報告されています。ウクライナに住む15歳の少年は、学校で友人とこっくりさんに夢中になっていました。ある日、こっくりさんで呼び出した“霊”から奇妙な指示を受けます――「ビルの14階から飛び降りよ。必ず成功する」と。少年はその言葉を真に受け、なんと自宅で自作のパラシュートを作って高層ビルの屋上から飛び降りてしまったのです。当然ながらパラシュートは開かず、少年は命を落としてしまいました。驚くべきことに、少年の母親や周囲の大人も彼の挑戦を止めず、成功を信じて見守っていたといいます。後の調査で、少年がこっくりさんで「やれ」と言われたから実行したことが判明し、学校では即座にこっくりさん遊びが禁止されました。この事件は、降霊術で呼び出した存在に精神を支配されてしまった一例とされます。普通であれば理性で「無謀だ」と思うことでも、霊の言葉となると盲信してしまう恐ろしさが浮き彫りになった事件でした。

● 悪意ある憑依と復讐
ある男性は、ごく普通の社会人でしたが、ある日突然マンションから飛び降り自殺を図り亡くなりました。彼は裕福な家庭に育ち仕事も順調、悩みなど無いように見えたため周囲は大きなショックを受けます。しかしその後、驚くべき事実が明らかになりました。彼は以前に婚約していた女性を裏切り別の女性と結婚しており、捨てられた元婚約者が強い恨みを抱いていたのです。元婚約者は復讐のため祈祷師に依頼して霊を彼に憑依させたと告白しました。そして呪いをかけてから10日後に、男性は錯乱したようにベランダから身を投げたというのです。この話がどこまで事実かは分かりません。しかし、人為的に霊を憑けて人を害するという降霊術の極めて邪悪な利用例とされ、オカルトマニアの間では「本当にそんなことができるのか」と恐れられています。少なくとも本人の性格や環境から自殺する理由が見当たらない場合、こうした超常的な要因が取り沙汰されることもあるのです。

● 大学サークルでの怪奇現象
日本の大学でも肝試し感覚で降霊術が行われ、思わぬ事態になった例があります。2015年、都内のとある大学のオカルト好きな学生5人が、廃部になった旧サークル棟の一室で降霊の儀式を試みました。深夜、机の上に数本のろうそくを灯し、五芒星のような図形を描いて全員で手をつなぎ、古びた手帳に載っていたという謎の呪文を唱え始めたのです。最初の数分は何も起きず、半信半疑のメンバー同士で笑いさえあったといいます。ところが15分ほど経過した頃、突然「ドンドン!」と部屋の扉が内側から激しく叩かれる音が響きました。驚いた学生たちは一斉に手を離し、扉を開けて廊下を確認しましたが誰もいません。再び輪になってみると、今度は部屋の隅のほうから「ギィ…ギィ…」と床を軋ませるような音が聞こえ始め、空気が急激に冷え込んできました。怖くなった5人はそのまま部屋を飛び出し、儀式は中断されました。

後日、彼らは記録用に設置していた温度計や録音機を確認しました。すると、ノック音が鳴った瞬間に室温が20℃から4℃まで急降下していたこと、さらに音声には人間の耳では聞こえなかった不気味な呻き声のようなノイズが残っていたことが判明したのです。この結果に学生たちは戦慄し、大学側に報告。以降、その部屋は封鎖されることになりました。幸い怪我人などは出ませんでしたが、素人の好奇心で踏み入れた降霊術の危険を如実に示すエピソードとして語り継がれています。

● 悪ふざけの代償
とある地方都市で、心霊スポット巡りが好きな若者たちがYouTube配信の企画で降霊術を試みました。彼らは人気を狙い、「生放送で幽霊を召喚してみた」という企画を深夜に決行します。廃墟となった旅館にカメラと通信機器を持ち込み、視聴者に見守られながらロウソクと鏡、日本人形を用意して降霊の儀式を始めました。最初はふざけ半分で笑い合っていた彼らですが、配信開始からしばらくするとカメラにノイズが乗り始め、鏡の前に座っていたメンバーの背後に黒い人影のようなものが映ったのです。コメント欄も騒然となり、本人たちも異変に気づき怯え始めました。その直後、人形が勝手に倒れる様子がカメラに捉えられ、悲鳴を上げた撮影者が機材ごと転倒。配信はそこで途切れてしまいました。

幸い命に別状はありませんでしたが、メンバーの一人はその後高熱を出して入院し、別の一人は「あの日以来ずっと誰かに見張られている感じがする」と精神的に不安定になったといいます。この出来事はネットニュースにもなり、**「軽い気持ちの降霊術は本当に危ない」**と話題になりました。彼らは世間に怖がらせ動画を提供するつもりが、逆に本物の怪異に取り憑かれてしまった形です。悪ふざけで霊を呼び出そうとした代償としては、あまりにも高くついたと言えるでしょう。

以上のように、降霊術が関わるトラブルや惨事は数多く報告されています。それらはすべて事実かどうか確認しようがない面もありますが、当事者たちにとっては紛れもない現実の恐怖体験でした。中には偶然の不幸が重なっただけかもしれないものもあります。しかし、「霊を呼んだせいだ」「あの時何かを招いてしまったからだ」という考えが一度でも頭をよぎってしまえば、心理的にはその恐怖から逃れることは困難です。実際に降霊術の失敗で精神的トラウマを負った人も多く、専門家によれば普通の事故以上に症状が長引くケースもあるそうです。目には見えない何かによって人生を狂わされたと感じる恐怖は、想像を絶するものがあります。

これらの実例は、降霊術が決して遊びでは済まない危険な行為であることを物語っています。次の章では、数ある降霊術の中でも特に危険性が高いとされるものをランキング形式で紹介します。「絶対にやってはいけない」と警告される儀式の数々、その恐ろしさの片鱗を垣間見てください。

第5章: 死を招く禁断の儀式 — 危険な降霊術ランキングTOP5

世の中には「絶対に試してはいけない」と言われる危険極まりない降霊術が存在します。好奇心から手を出してしまえば、命や精神を脅かされるリスクが非常に高いと噂されるものばかりです。ここでは、その中でも特に有名なものを5つ厳選し、ランキング形式で紹介します。いずれ劣らぬ恐ろしい儀式ですが、順位が上がるにつれて危険度・禁忌度が高まります。読むだけでも呪われそうだと感じるかもしれませんが、あくまで知識として頭に入れておき、決して実行しないようにしてください。それでは第5位から発表します…。

第5位: ブラッディ・メアリー(Bloody Mary)

概要: 鏡を使った降霊術で、海外のポピュラーな怪談的儀式です。真夜中に洗面所や浴室の鏡の前で、ろうそくを片手に持って「ブラッディ・メアリー」と3回唱えると、鏡に血まみれの女性の幽霊が現れると言われています。彼女は“メアリー”と呼ばれていますが、その正体は諸説あり、殺害された女性の霊、処刑された魔女の霊、あるいは出産時に亡くなった女性の怨念など様々に語られています。鏡という異世界への窓を開く行為であり、極めて不気味かつシンプルなため、欧米では肝試しとして広まりました。

恐ろしさ: ブラッディ・メアリーの怖さは、現れた霊が何をするか定かでない点です。伝説では、呼び出されたメアリーは召喚者の目を抉り取る鏡の中に引きずり込むその場で狂わせるなど様々な恐怖の結末が語られます。また、実際に行った人の証言では「本当に女の顔が見えた」とパニックになるケースが少なくありません。鏡像という日常の自己像が一瞬にして異形の他者に変貌するショックは計り知れず、たとえそれが思い込みや錯覚でも一生のトラウマになる可能性があります。実害としては、驚いた人が転倒したり逃げ出す際に事故に遭うなどのケースが報告されています。五感を揺さぶる心理的恐怖が主な危険と言えますが、噂話レベルでは実際に霊に傷付けられたという話もあり油断できません。

総評: 比較的手軽で有名な降霊術ですが、精神的ショックの大きさではトップクラスでしょう。幽霊そのものというより、自分の後ろに立つ“何か”を想像してパニックに陥るリスクが高く、遊び半分でやった人が泣き叫んでしまうケースも珍しくありません。「怖い話を聞いてみんなでぞっとする」程度でやめておくのが賢明です。

第4位: ウィジャボード / こっくりさん

概要: 板(ボード)と指示器を使って霊と交信する典型的な降霊術です。海外発祥のウィジャボードと、その日本版とも言えるこっくりさんを合わせて紹介します。ウィジャボードではアルファベットが書かれた板と小さなプランシェット(指示器)を使用し、複数人でプランシェットに指を置いて質問します。こっくりさんでは紙に平仮名や「はい・いいえ」などを書き、硬貨を用いる点が異なるだけで基本ルールは同じです。質問に対し霊が指示器や硬貨を動かして答えてくれるという仕組みになっています。

恐ろしさ: まず、実際に盤が動くという体験そのものが強烈な恐怖です。自分たちの指が勝手に滑って文字を示す感覚は、「本当に何かが乗り移っている…!」という実感を与えます。そしてその答えが不吉な内容であったり、全く心当たりのない情報だったりすると、一同は完全に怯え上がるでしょう。だが本当の危険はその後に潜んでいます。望まぬ霊まで呼び寄せてしまうリスクです。本来は特定の誰か(例えば降霊者の縁者の霊など)を呼ぶつもりが、招かれざる悪霊や低級霊がやってきて盤を介して嘘のメッセージを伝える可能性があります。そうした霊は往々にして嘘や脅しを混ぜ、参加者を混乱させたり恐怖させたりします。「お前は死ぬ」「ここにいるぞ」などショッキングな言葉を示され、精神に深い傷を負う事例もあります。

さらに危険なのは霊が去らず居ついてしまうことです。ウィジャボードやこっくりさんでは、終わらせる際にきちんと「さようなら」をして指を離すことが推奨されています。これを怠った場合、呼び出された霊が解放されずその場や参加者に取り憑く恐れがあるのです。実例でも、こっくりさんを中断してしまった後から家でラップ音が続いた、妙な影を見るようになった、といった後遺症が報告されています。また、一部にはこの方法が憑依現象につながったとの話もあり、実際にこっくりさん後に奇行を始め精神科に入院した人の例も囁かれています。動物霊や悪霊が参加者に憑き、自殺や事故に誘導することすらあるというのです。

総評: ウィジャボード/こっくりさんは知名度が高く興味本位で手を出されがちですが、シンプルゆえに予期せぬ霊を招きやすい危うさを孕んでいます。楽しんだ後に正しく終わらせれば大抵は問題ないとも言われますが、素人には霊の正体を見極めることなどできません。一度動き出した硬貨に怯えパニックになれば、適切な終結作法もできずじまいでしょう。身近に潜む大きなリスクとして十分警戒すべき降霊術です。

第3位: ドライ・ボーンズ(Dry Bones)

概要: **「悪魔とかくれんぼをする」**という極めて危険な海外発の降霊ゲームです。2010年代にインターネット掲示板で広まった都市伝説的儀式で、参加者(プレイヤー)が深夜に自宅で悪魔を召喚し、午前3時まで見つからないよう隠れ切ることが目的となります。成功すれば悪魔に勝利した証として自分の望むものを一つ得られる、という一種の契約ゲームです。ただし、失敗した場合どのような報いを受けるかについては極めて曖昧かつ不気味に語られ、「命を奪われる」「魂を持っていかれる」などと言われています。

恐ろしさ: ドライ・ボーンズはまず儀式の準備段階から背筋が凍るものです。午前0時1分になったら家中の明かりを消し、全てのドアと窓を施錠します。浴室に鏡を用意し、ろうそくに火を灯して悪魔降臨の呪文を唱えると、目には見えない“何か”が家の中に現れるとされます。その証拠にろうそくの火が突然消えるとも言います。その瞬間からゲーム開始で、プレイヤーは家中に隠れ、3時まで悪魔に見つからないよう息を潜めていなければなりません。暗闇の中で物音一つ立てずに3時間過ごす精神的プレッシャーは凄まじく、尋常でない緊張と恐怖に苛まれるでしょう。悪魔に近づかれている気配を感じても、絶対にその方向を見てはいけないとも言われます。

最大の恐怖は、万一見つかってしまった場合です。具体的なペナルティは伝承によって様々ですが、「見つかった者はその場で惨殺される」「肉体には傷がなくとも朝までに心臓が止まる」「以後ずっと悪魔に取り憑かれ悪夢に苦しむ」等どれも救いがありません。要するに命懸けの賭けなのです。勝ったとしても望みを叶えてもらえる保証などなく、仮に何か得ても代償があるとも言われます。実践したという海外ユーザーの体験談では、悪魔の気配から逃げ切った後に臨んだ宝くじで高額当選したものの、その直後に家族が重病になった…など、猿の手じみた因果応報の話もあります。つまり勝ったつもりでも本当に得をすることはない、非常に割に合わないゲームなのです。

総評: ドライ・ボーンズは命を報酬と天秤にかける悪魔召喚であり、倫理的にも危険度的にも論外と言える降霊術です。得られるものがある分、面白半分の儀式より却って危険性が強調されています。自宅という本来安全な場所を自らホラー空間に変えてしまう点でも危険で、挑戦した人の多くが「もう二度とやりたくない」と語っています。まさに**“悪魔の遊戯”**と呼ぶにふさわしい禁忌の儀式です。

第2位: ミッドナイトゲーム(Midnight Game)

概要: 深夜に“ミッドナイトマン”という得体の知れない存在を招き、自宅で鬼ごっこをする西洋発の降霊術です。ドライ・ボーンズと同様に、夜通し逃げ切る系の儀式ですが、こちらには何一つ報酬が無いという異質さがあります。元々は古代ヨーロッパの異教徒への刑罰儀式が由来とも言われ、罪人に極度の恐怖を与える拷問として考案されたという説もあります。そのため、成功しても何のメリットもなく、失敗すれば酷い目に遭わされるだけという純粋な危険行為です。

恐ろしさ: ミッドナイトゲームの手順も複雑で不気味です。いくつかバリエーションがありますが一般的には、紙に自分のフルネームを書き少量の血を垂らしておきます。真夜中ちょうどに家の玄関扉をノックで22回叩き(最後のノックが午前0時を過ぎていること)、扉を開けて紙を外に出し、再び閉めます。次に扉の前でマッチを一本擦り、すぐ消してしまいます。これで見えざる“ミッドナイトマン”が家の中に入ってきたことになります。以降、3時33分になるまでが逃亡タイムです。参加者は手にろうそくを持って家の中をゆっくり歩き回り、ミッドナイトマンに捕まらないよう過ごさねばなりません。もしろうそくが突然消えたら、10秒以内に再点灯するか、塩で自分を囲むことで身を守るよう指示されています。

このゲームの恐怖ポイントは、相手の姿が見えないことです。気配や足音、ろうそくの火の揺らぎでしかミッドナイトマンの存在を察知できません。捕まった場合の結果は悲惨で、伝承では「生きたまま幻覚を使って最大級の恐怖を与えられる」「体に永久に残る傷を刻まれる」とあります。実際に挑戦した人々の怪談では、ゲーム中に激しい吐き気や被害妄想に襲われたり、終了後に腕に原因不明の引っかき傷が多数浮かんだという証言もあります。逃げ切れたとしても特に褒美はなく、虚脱感と得体の知れない恐怖だけが残ると言います。何も得られず恐怖だけを味わうために命を懸けるという、冷静に考えれば正気の沙汰ではない内容です。

総評: ミッドナイトゲームは、その成り立ちからして非常に陰惨で危険です。宗教的な罰として生まれたとも言われ、むやみに手を出すこと自体が命知らずでしょう。挑戦者の中には「途中で気を失った」「以後うなされるようになった」と語る者もおり、たとえ科学的には思い込みの産物だとしても本人にとっては紛れもない恐怖体験となっています。ゲームに勝っても称賛されるわけでもなく、ただ自ら深い闇を覗くだけの行為と言えます。最も報われない危険儀式としてランキング2位に相応しいでしょう。

第1位: ひとりかくれんぼ

概要: 栄えある(?)第1位は、日本発の都市伝説的降霊術「ひとりかくれんぼ」です。これは名前の通り、人間一人で行うかくれんぼの形を取った降霊術です。ただし鬼ごっこの相手は生きた人間ではなく、自分が用意した人形に宿った霊です。ネット掲示板に2006年頃登場し、「絶対にやってはいけない遊び」として瞬く間に広まりました。日本だけでなく海外にも”One-Man Hide and Seek”として紹介され、現在でも語り継がれる最恐の禁断儀式です。

やり方:(危険なので決して真似しないでください)
深夜の2時に開始します。まず手足のあるぬいぐるみを一体用意し、中の綿を裂いて抜き取ります。代わりに一握りの米と自分の爪や髪の毛を少量詰め、中を赤い糸で縫い合わせます(血の代償と結束の象徴)。そしてその人形に包丁やカッターなどの刃物を抱えさせます。準備が整ったら浴室に水を張り、人形をそこに置いて「最初の鬼は○○(自分の名前)」と宣言します。こうして一旦人形から離れ、部屋に戻ってコップ一杯の塩水を手元に用意して待機します。そしてちょうど午前2時になったら浴室へ行き、「○○(自分の名前)が見つけた」と言いながら人形に刃物を突き刺します。これで鬼交代の儀式が完了し、急いで浴室を出て家の中に隠れます。
隠れて数分後、心の中で「もういいかい?」と人形に問いかけます――ここからが本番です。以後、午前3時までの約1時間、人形に宿った何者かが自分以外誰もいないはずの家の中を徘徊し始めるとされています。実際の体験談でも、テレビが突然ノイズだらけになったり、廊下から明らかに人間のものではない足音が聞こえたり、人形の置いてあった場所が変わっていたりといった報告が多数あります。3時になったら、塩水を口に含んで人形を探し出し、見つけたら人形に塩水を吐きかけながら「私の勝ち!」と3回唱えて終了となります。素早く人形を燃やすか処分して儀式は完了です。

恐ろしさ: ひとりかくれんぼはまさに現代最恐と呼び声の高い降霊術です。まず、自分しかいないはずの家の中で「何か」に追われるというシチュエーションそのものが究極の恐怖です。夜中の家という安全空間が一転、逃げ場のないお化け屋敷と化すわけですから、精神の極限を味わうでしょう。実際に試みた人の証言では、「隠れている間、心臓の音がうるさ過ぎて相手に聞こえるのではと恐ろしかった」「物音一つ一つに悲鳴をこらえるのが大変だった」など、終始パニック寸前の状態に陥るようです。

さらに凶悪なのは、実際に怪異現象が多発する点です。他の降霊術では「何も起きないことも多い」のですが、ひとりかくれんぼに関しては比較的怪現象の報告率が高いと言われています。例を挙げると、「隠れている間にテレビが勝手についた」「浴室に戻ったら人形が消えており、リビングで刃物だけ落ちていた」「人形を回収した後、壁に子供の手形のような跡が増えていた」等、信じ難い話が次々語られています。また儀式を終えた後も、「しばらく誰かに見られている感覚が消えなかった」「夜眠ると人形に追われる悪夢を見るようになった」といった後遺症に悩まされるケースも多いようです。

何より恐ろしいのは、もし途中でギブアップしたり終了手順を誤ったりすると、招いた霊が自分に本当に取り憑いてしまう可能性があることです。「最後までやりきらないと殺される、連れていかれる」とまで警告されるこの儀式、失敗した者の末路について具体例は多く語られませんが、それがかえって不気味さを増しています。成功したところで得られるものは何も無く、あるのは命の危険と深い恐怖体験だけです。

総評: ひとりかくれんぼはインターネット発祥の現代怪談でありながら、その完成度の高さと危険性から**「最も危険な降霊術」と呼ばれるに至りました。心理学者の中には「極度の緊張状態と自己暗示が幻覚を生むのだ」と解釈する向きもありますが、それだけでは説明できないような体験談が後を絶ちません。この儀式はゲーム感覚で紹介されることもありますが、実際には伝統的な降霊術の要素を多く含む本格的な呪術**です。霊を招き入れ、鬼ごっこという形で生贄のように遊ばせ、最後に塩水で封じる――構造的に見ても極めて危険度が高く、素人が踏み込むべきではない領域と言えます。ランキング第1位に相応しい、飛び抜けてヤバい降霊術です。好奇心が勝っても、どうか挑戦はしないでください…。

第6章: フィクションと現実の境界 — 降霊術の真偽と科学的視点

ここまで降霊術の恐ろしい側面を見てきましたが、では降霊術は本当に超常現象なのでしょうか? それとも多くはフィクションや思い込みに過ぎないのでしょうか? この章では、降霊術にまつわるフィクションとノンフィクションの境界について考察し、現実の出来事との距離感を探ってみます。

まず、歴史的に見て降霊術には多分にフィクションや演出が含まれていたことが知られています。19世紀の交霊会ブームの際、多くの霊媒がトリックを用いて客を驚かせていたのは先述の通りです。フォックス姉妹も後年になって、霊のラップ音は自分たちが足の指を鳴らして起こしたものだったと告白しています。写真に写った幽霊も、ダブル露光という技術で捏造されたものが大半でした。こうした人為的なインチキが横行した背景には、人々の霊への強い渇望がありました。霊との交信が本当にできると信じたいあまり、一部の悪質な者がそれに付け込んで偽の降霊現象を演出したのです。

一方で、すべてが作り話かというとそうでもありません。心霊研究や超心理学の分野では、降霊術中に起こる現象の中には科学的に説明がつかないものも報告されています。例えばテーブル・ターニングの実験では、誰も触れていないテーブルが動いたとの記録があり、現在でも議論の的です。ただし多くの場合、心理的・生理的なメカニズムで説明が可能だとも指摘されています。有名なのは「誘導筋肉反応(イデオモーター効果)」です。こっくりさんやウィジャボードの現象は、参加者が無意識のうちにわずかに筋肉を動かして硬貨やプランシェットを動かしているとする説です。実際、本人に自覚がなくとも暗示によって手が動くことは科学実験で確認されています。つまり、霊が動かしたのではなく人間の潜在意識が答えを作り出している可能性が高いということです。

また、降霊術の際に見える霊や起こる怪奇現象の多くは思い込みや錯覚で説明できる場合もあります。暗闇での光の錯覚、緊張による聴覚の過敏化で普段気にならない家鳴りを足音と感じてしまう、といった具合です。特に複数人で行っていると、誰か一人が「今何か見えた!」と言えば他の人も影響されて同様の錯覚を共有しやすくなります。集団催眠的な心理状態が、交霊会では起こりやすいのです。

興味深い実験例として**フィリップ実験(Philip Experiment, 1972年 カナダ)**があります。超心理学者たちが架空の幽霊フィリップの経歴を捏造し、それを本物だと信じ込んで降霊会を行いました。すると全く存在しないはずのフィリップの霊から、机を叩く音など応答現象が起きたのです。これは、人間の強い思い込みがポルターガイストのような現象を生み出した一例として知られています。この実験は、降霊術における心霊現象の多くは参加者の潜在意識が作り出している可能性を示唆しました。同時に、「それでもなお説明できない部分が残る」という意見もあり、結論は出ていません。

では、降霊術で語られる悲劇的な事件は全てデタラメなのでしょうか? これについては慎重に考える必要があります。確かに、怪談めいた話には脚色や噂話が混じっていることが多いです。しかし、中には現実の事件と結び付いているケースもあります。例えば前章で触れたウクライナの少年の事故は実際に地元紙で報じられた実話ですし、日本でも1980年代にこっくりさんがきっかけで自殺した若者の話が週刊誌に載ったことがあります。これらは霊現象そのものの立証にはなりませんが、降霊術が人の心理に与える影響が現実の行動や事件につながる恐れは確かにあると言えるでしょう。

もう一つ大事な視点は、降霊術の結果何か悪いことが起きたとき、人はそれを霊のせいにしがちだということです。たまたま降霊術を行った直後に不幸が起きれば、「きっと霊の祟りだ」と考えてしまいます。科学的には因果関係を証明できなくても、当人にとっては霊との関連を疑う気持ちを拭えません。そして一度そう信じ込んでしまうと、精神的ストレスが増幅され、本当に体調を崩したり判断を誤って事故に遭ったりする可能性もあります。つまり、霊が存在するか否かに関わらず、「霊のせいだ」と思い込むこと自体が危険なのです。

さらに言えば、フィクションの世界が現実に影響を及ぼすこともあります。ホラー映画や小説で降霊術が題材になると、そのやり方を真似する人が出てきます。有名な映画『エクソシスト』は、実際にある少年がウィジャボードをきっかけに悪魔憑きになったという事件に着想を得ています。この映画のヒット後、世界中で「自分も悪魔に取り憑かれた気がする」と訴える人が増え、社会現象となりました。同様に、日本のホラー作品に登場した降霊術を模倣してトラブルになったケースも報告されています。フィクションがノンフィクションを産み、それがまた新たなフィクションを呼ぶ…降霊術を巡っては、現実と虚構が複雑に絡み合っているのです。

結論として、降霊術における怪奇現象の多くは科学的・心理学的に説明可能かもしれません。しかし、だからといって全てが単なる作り話と一蹴するのも適切ではないでしょう。なぜなら、説明のつかない現象がゼロとは言い切れず、それにより人生を狂わされたと感じている人々が実際に存在するからです。現代科学で解明されていない自然現象が潜んでいる可能性もありますし、人間の心の奥底には未知の力があるのかもしれません。盲信も否定もしすぎず、畏敬と慎重さを持って向き合うのが賢明なのでしょう。降霊術の世界は、我々に現実の限界と不思議への謙虚な好奇心を突きつけています。

最後にもう一度強調します。いかに好奇心をそそられようと、本文で紹介したような危険な降霊術を安易に試すことは絶対に避けてください。フィクションの世界で楽しむ分には良いですが、現実で試してしまえば取り返しのつかない事態になるかもしれません。「知らない何か」に手を出すことの恐ろしさ――それを忘れずにいてください。

管理人コメント

ここまでお読みいただきありがとうございます。。私は子供の頃から怖い話やオカルトが大好きで、降霊術の噂話にもワクワクするタイプの人間です。正直、この記事を書いている間も背後が気になって何度も振り返ってしまいました…。やはり降霊術の話って何度聞いても怖いですね!

改めて調べてみて、降霊術にはロマンと危険が紙一重で同居していると感じました。未知の世界と触れ合いたいという人間の好奇心は止められませんが、それによって悲劇が起きてしまっては本末転倒です。個人的には「霊は本当にいるのかな? でもいてもおかしくないかも」と半信半疑ですが、だからこそ怖いとも思います。幽霊がいるかどうか確かめたい気持ちもありますが…さすがに自分でこっくりさんやひとりかくれんぼをやる勇気はありません!

オカルト好きの一人としては、こうした降霊術の話題はフィクションとして楽しむくらいが丁度いいのではないかと思います。映画や小説、ゲームの中で疑似体験して、ヒヤッと背筋を冷やす…それくらいが安全で楽しいですよね。本記事で紹介した恐ろしい儀式の数々も、「へぇ、そんなものがあるのか」程度に留めておいて、決してご自身で試したりしないでくださいね。

怖い話は大好きですが、読者の皆さんには安全第一でいてほしいと切に願っています。「好奇心」と「慎重さ」を上手にバランス取って、これからもオカルトの世界を楽しんでいきましょう。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。それでは、夜中に誰もいない部屋から物音が聞こえても…きっと気のせい、ですよ!おやすみなさい…。


ソース記事一覧

  • https://yumetajima-fair.jp/archives/1243
  • https://www.pointheart.net/entry/dangerousnecromancy
  • https://iostpoint.com/2025/06/22/%E3%80%8C%E6%9C%80%E3%82%82%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E9%99%8D%E9%9C%8A%E8%A1%93%E3%80%8D%E2%80%95%E2%80%95%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E4%BB%A3%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AB%E3%80%81/
  • https://www.mojalaki.com/necromancy-kokkuri-san/
  • https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E9%9C%8A%E4%B8%BB%E7%BE%A9
  • https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%81%95%E3%82%93
  • https://globe.asahi.com/article/14506961
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