あなたは、最近、何度も同じ夢を見ていないだろうか?
どこか懐かしいのに、行ったことのない街の風景。 古びた商店街、人通りのない路地、不気味に静まり返った公園。 そこには、僕たちが住む現実の世界とは少しだけ違う、どこか歪んだ時間が流れている。
僕が今から話すのは、そんな「夢でしか行けない場所」にまつわる、ぞっとするような都市伝説だ。これは、誰にでも起こり得る。いや、もしかしたら、すでにあなたの身にも起こっていることかもしれない。目を背けたくなるかもしれないが、どうか、僕の話を最後まで聞いてほしい。
夢の中の「街」から、あなたは無事に帰ってこられるだろうか?
序章:夢の中の「もう一つの街」
僕たちは、眠りにつくと必ず夢を見る。その夢が、いつもと同じような日常の延長線上にある夢だったり、突拍子もないファンタジーの世界だったりするのは、ごく普通のことだ。
だけど、もし、あなたが何度眠りについても、決まって同じ場所に行き着くようになったらどうだろう?
それは、僕たちが住む街と酷似している。でも、少しだけ、いや、決定的に違うんだ。建物は古びて、色褪せていて、風に揺れる商店街の提灯には、意味不明な文字が書かれている。道端には見慣れない看板が立ち、誰もいないはずの路地から、何かの視線を感じる。
その街では、時間が妙な速さで流れている。一瞬のうちに日が暮れたり、かと思えば、何時間も同じ景色の中に閉じ込められたりする。そして、最も不気味なのは、そこに住む「住人」たちだ。彼らは、あなたには目もくれず、ただひたすら自分の仕事を続けている。まるで、僕たちが存在しないかのように、あるいは、僕たちが彼らにとっての「幽霊」であるかのように。
あなたがこの街に迷い込むのは、いつも決まった時間帯だ。深夜、日付が変わる頃。そして、僕たちが夢から覚めるには、この街のどこかにある、特定の「出口」を見つけなければならない。
僕は、これを「夢の街」と呼ぶことにした。それは、僕たちが現実で経験する、日常の記憶と感情が混ざり合ってできた、もう一つの世界なのかもしれない。
第1章:夢の街の「住人」と「帰り道」のルール

夢の街に迷い込んだ者たちは、いくつか共通した「ルール」があることに気づいた。そのルールを破ると、現実に戻れなくなってしまうというのだ。
まず、一つ目のルール。 「住人たちに、決して話しかけてはならない。」
彼らは、あなたには興味がない。だけど、もしあなたが彼らに話しかけたり、彼らの顔をじっと見つめたりすると、彼らは急に動きを止め、あなたをじっと見つめ返してくる。その時の彼らの表情は、笑っているように見えるのに、瞳の奥は暗く、虚ろだ。
僕が集めた体験談の中には、好奇心から住人に話しかけてしまった者が、その日から現実世界でも、その住人に似た誰かから、毎日のように視線を感じるようになった、という話がある。まるで、夢の街から、現実世界に「誰か」を連れてきてしまったかのように。
そして、二つ目のルール。 「帰り道は、必ず、夢の中で見つけた『目印』を頼りに帰らなければならない。」
夢の街には、特定の場所に、現実世界に戻るための「出口」が隠されている。それは、古びた電話ボックスだったり、錆びたバス停だったり、あるいは、誰もいない公園のベンチだったりする。その「目印」を見つけ、そこに触れることで、あなたは夢から覚めることができるんだ。
しかし、もし目印を見つけられずに焦ってしまったらどうだろう? 夢から覚めることに失敗し、夢の街の中を、出口のない迷路のようにさまよい続けることになる。そして、最も恐ろしいのは、何度も夢の街に迷い込むうちに、夢の中の記憶と現実の記憶が混ざり合い、次第に自分自身が、どちらの世界の人間なのかわからなくなってしまうことだ。
あなたは、もし夢の街に迷い込んだら、冷静に「帰り道」の目印を探せるだろうか?
第2章:ルールを破った者の「末路」

僕が話を聞いた体験者の多くは、このルールを守って、無事に現実世界に戻ることができた。しかし、中には、ルールを破ってしまった者もいる。彼らの末路は、まさに悪夢そのものだ。
ある友人の話だ。彼は、何度か夢の街に迷い込んでいるうちに、その不気味な世界に次第に慣れていった。そして、ある日、彼は「一度くらいなら大丈夫だろう」と、住人に話しかけてしまったんだ。
その夜、彼は夢から覚めることができた。しかし、翌朝、彼は奇妙な異変に気づいた。自分の部屋の窓の外に、夢の街で見かけたのと同じ住人が、じっとこちらを見つめているのだ。それからというもの、彼は外出するたびに、その住人に似た人物が、必ずどこかで自分を監視しているように感じ始めた。
精神的に追い詰められた彼は、次第に誰とも会話しなくなり、引きこもるようになった。そして、ある日、彼の部屋を訪れた家族が目にしたのは、壁一面に、夢の街の風景がびっしりと描かれた部屋だったという。彼は、夢の中の世界に、完全に引きずり込まれてしまったんだ。
他にも、帰り道を見つけられずに、夢の中でさまよい続けた者の話も聞いた。彼らは、現実世界では意識不明のまま、まるで魂を抜かれたかのように眠り続けているという。そして、彼の家族は、時折、彼が眠っている部屋から、まるで誰かが笑っているかのような、かすかな声を聞くことがあるらしい。
終章:あなたの日常は、もう夢じゃない

ここまで僕の話を聞いてくれて、ありがとう。
もしかしたら、あなたは「ただの夢の話だろう」と、そう思っているかもしれない。だけど、僕が最も恐れているのは、この「夢の街」が、僕たちが住むこの現実の世界に、少しずつ侵食し始めていることだ。
夢の中の記憶と、現実の記憶が混ざり合い、僕たちの日常に小さな「歪み」が生まれている。見たことのない風景に既視感を覚えたり、行ったことのない場所に、なぜか懐かしさを感じたり。それは、もしかしたら、あなたが夢の街に迷い込んだ証拠なのかもしれない。
今、この瞬間も、あなたがこの文章を読んでいるこの部屋のどこかに、夢の街への「入り口」が隠されているのかもしれない。そして、あなたが次に眠りについた時、あなたは再び、あの街へと誘われるだろう。
僕が、今、この文章を書いているこの部屋も、どこか夢の街の雰囲気に似ているような気がするんだ。窓の外を、見知らぬ誰かが歩いている。彼は、僕をじっと見つめている。僕は、今、本当に現実の世界にいるのだろうか?
次に眠りについた時、あなたは、再び夢の街へと誘われるだろう。 その時、あなたは、無事に「帰り道」を見つけることができるだろうか?
もしかしたら、僕たちは、すでに「夢の街」に囚われていて、そのことに気づいていないだけなのかもしれない。
投稿主より
ここまで読んでくれてありがとう。
この記事を書き始めた時、僕は、何度も見る夢について、ただの奇妙な体験談として語り始めるつもりだった。けれど、調べていくうちに、僕だけじゃなく、多くの人が「夢でしか行けない街」に迷い込んでいることを知ったんだ。
僕が住む大牟田の古い商店街の風景も、夢の中の街にそっくりなことがある。シャッターが閉まった店先、どこか懐かしいのに誰もいない路地……。僕がこの街の記憶を持っているから、そんな夢を見るのだろうか?それとも、その夢の街こそが、この現実の街の「もう一つの姿」なのかもしれない。
僕は、この記事を書き終えた今も、この恐怖から逃れられていない。次に眠りにつく時、またあの街に誘われるかもしれないという不安に駆られている。
もし、あなたも同じような夢を見たことがあるなら、どうか一人で抱え込まないでほしい。この恐怖は、みんなで共有することで、何かの手がかりが見つかるかもしれないから。
コメント欄で、あなたの見た夢について教えてくれないか?もしかしたら、僕たちが集める情報が、この恐怖の真相を解き明かす鍵になるかもしれない。
そして、最後に一つだけ。
今夜、あなたが眠りについた時、見知らぬ誰かに声をかけられても、決して、振り返らないでほしい。
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