🩸冒頭:軽い気持ちで始めた、その先に――
放課後、誰もいない教室。
廃棄されかけた机の上に、真っ白な紙と十円玉が置かれる。
「なあ、やってみようぜ。こっくりさん。」
ふざけ半分で始めた“遊び”は、
いつの間にか、笑えない空気に変わっていた。
十円玉がぴくりと震えた瞬間、
そこにいた全員が、何かが“来ている”ことに気づいた。
――だが、その扉を開いた者には、
もう「戻る」ボタンなど存在しない。
🔮セクション1:こっくりさんとは何か?
こっくりさん(狐狗狸さん)とは、
紙に書いた文字盤と十円玉を使って霊的存在を招き、
参加者の問いかけに「はい」「いいえ」や文字で答えてもらうという招霊術である。
一見すると簡単な遊びのようだが、その本質は簡易降霊術の一形態であり、
実際に精神や身体へ重大な影響を及ぼす事例も多い。
由来は明治時代にまで遡る。
当時の日本では、西洋から流入した「テーブル・ターニング(円卓霊媒術)」が流行し、
それを日本風にアレンジしたものが「こっくりさん」であった。
「こっくり」とは、
- 狐(こ)…狡猾で神通力を持つ精霊
- 狗(く)…番犬としての忠誠、呪術との関わり
- 狸(り)…変化する霊的存在
この三種の霊が混ざり合った存在とされ、
“姿なきもの”に問いを投げかける儀式として全国に拡散した。
🧾セクション2:こっくりさんのやり方(※危険なため絶対に実行禁止)
以下は記録的目的のために記述します。
絶対に真似をしないでください。
📌用意するもの:
- A4以上の白紙
- 「はい」「いいえ」「あ〜ん(50音)」と数字0〜9を書き込む
- 中央上部に“鳥居”の絵を描く(神の出入り口)
- 十円玉(古くても可)
- 参加者:最低2人、多くても4人以内が推奨される
⚙️手順:
- 紙を机の上に置き、文字の位置が見えるようにする
- 十円玉を「鳥居」や中央の文字に置き、参加者全員が人差し指を添える
- 全員で唱える:
「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください」×3回 - 十円玉が動いたら、質問を始める
- 終了時は必ず:「こっくりさん、お帰りください」と告げ、「はい」と返答されるまで手を離さない
- 紙と十円玉は封印して廃棄、再使用禁止
🧠セクション3:なぜ“動く”のか?――科学 vs 超常の視点
🔬科学的視点:イデオモーター効果
- 人は無意識のうちに「動いてほしい方向」へ筋肉を微小に動かす
- これにより“勝手に十円玉が動いている”と感じる
- ただし、全員の意識が一致しない限り動かないため、
“共有された無意識”という特殊な心理状態が必要
👻超常的視点:霊媒・降霊装置
- 紙は神具、十円玉は霊の依代(よりしろ)
- 「開いた意識」と「儀式的環境」が揃うことで、霊的な存在が降臨しやすくなる
- 取り憑く・動かす・侵入する…といった作用は、媒介が整っているがゆえの現象
💀セクション4:実際の被害例と事件報告
◾️事件例①:1991年・東京都 某中学
放課後に教室でこっくりさんを行っていた生徒3名が、
帰宅後に全員高熱を出して入院。
一人は3日間うわ言のように「鳥居が壊れる」と繰り返し、
もう一人は「狐が笑ってる夢」を毎晩見ると記録されている。
◾️事件例②:2006年・神奈川県 某高校
文化祭準備期間中に空き教室で実施。
十円玉が異常な速さで「し・に・に・に・に・に」と繰り返し、
終了後に破棄しようとした紙が何度も元の場所に戻る。
その後、参加者4名のうち2名が不登校、1名が精神疾患で治療中との噂。
◾️事件例③:2018年・関西 某塾内
講師が不在の間に、数名の中学生が実施。
十円玉が「く・る・な・く・る・な」と動いた後、突然電気が落ち、
以後、参加者の一人が“自分の名前を答えられない”状態に。
精神科で診断不能とされ、記録は非公開。
🧨セクション5:こっくりさんの“構造的呪術性”
こっくりさんがただの“心理ゲーム”でないとされるのは、
以下のような儀式性を備えているからである。
呪術構成要素 | 内容 |
---|---|
招霊術 | 霊的存在に明確な意思で呼びかける点 |
媒体性 | 紙+十円玉という“結界と依代の簡易版” |
契約性 | 開始と終了の明確な呼びかけと応答が必要 |
破棄儀式 | 物理的な破棄=精神的な終了と連動 |
つまりこれは、“霊的存在との一時的契約”に近い。
しかも、遊び感覚で行うほど霊的存在の入りやすい隙が生まれるため、
本当に「悪意を持ったもの」が降りてきやすい。
🪬セクション6:絶対にやってはいけないこと
- 一人で実施(自己同一化しやすく、憑依のリスク増)
- 嘲笑・ふざけながらの実施(侮辱は怒りを買う)
- 「お帰りください」を言わずに終える(契約破棄)
- 使用後の十円玉を財布に入れる・再使用する(媒介化の継続)
🔒セクション7:儀式後に“起きたこと”――証言録より
「夢に鳥居が現れて、誰かが立ってる。近づくたびに消える。」
「家の鏡に、何も映らない時間が一瞬だけある。」
「飼い犬が自分の部屋だけ入らなくなった。」
これらは全て、**“儀式的現象の余波”**として報告されたもの。
🧷まとめ:なぜ“こっくりさん”は現代でも危険視されるのか
- 安易に真似できる構造=広まりやすい
- 精神を“開いた状態”にする手順=霊的侵入の隙
- 遊びの形をしていても、本質は“扉を開く”儀式
このため、
“こっくりさんを一度でもやった者は、二度とやってはいけない”
という言葉も、未だに全国で語られている。
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